出雲大社は縁結びの聖地・神様?ご利益と正しい参拝方法を徹底解説

縁結びの神様として名高い出雲大社。その歴史は深く、神話の時代から人々の信仰を集めてきました。このページでは、出雲大社の歴史やご利益はもちろん、正しい参拝方法を徹底解説。

二拝四拍手一拝の作法や、本殿・拝殿の違い、摂社・末社巡りなど、参拝前に知っておきたい情報を紹介します。

さらに、神在月といった特別な時期についても触れ、出雲大社参拝をより深く、実りあるものにするための情報をお届けします。

目次

出雲大社の歴史とご利益

出雲大社は、縁結びの神様として広く知られていますが、その歴史は深く、日本の神話にまで遡ります。出雲大社の祭神である大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)と縁結びの神話、出雲大社の歴史、そしてご利益について詳しく解説します。出雲大社の魅力をより深く理解し、参拝をより意義深いものにしましょう。

大国主大神と縁結びの神話

出雲大社の祭神である大国主大神は、「古事記」や「日本書紀」といった日本の神話に登場する重要な神様です。国づくり(国土経営)の神として知られ、人々に農耕や医薬などの知識を授けたとされています。また、多くの試練を乗り越え、数々の女神との間に縁を結んだことから、縁結びの神としても信仰を集めています。

特に有名なのは「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」の神話です。大国主大神がまだ若い頃、意地悪な兄弟たち(八十神(やそがみ))にいじめられていた白兎を助けたという話です。この話は、大国主大神の優しさや慈悲深さを表しており、人々から厚い信仰を集めるきっかけとなりました。

また、大国主大神は、須佐之男命(すさのおのみこと)の娘である須勢理姫命(すせりひめのみこと)と結婚する際に、様々な試練を受けますが、それらを乗り越えて結ばれます。このことから、困難を乗り越えて縁を結ぶ力があるとされ、縁結びの神として広く信仰されるようになりました。

出雲大社の歴史

出雲大社の創建は非常に古く、その起源は神話の時代にまで遡るとされています。正確な創建年は不明ですが、「古事記」や「日本書紀」には、大国主大神が国譲り(くにゆずり)を行った後に、天照大神(あまてらすおおみかみ)から立派な宮殿を建ててもらったという記述があります。これが現在の出雲大社の起源とされています。

出雲大社の社殿は、独特の大社造(たいしゃづくり)と呼ばれる建築様式で建てられており、国宝に指定されています。その壮大さは、かつては現在の倍以上の高さがあったとも伝えられています。現在の本殿は、江戸時代に建てられたもので、その後も数度の遷宮(せんぐう:社殿の建て替え)が行われています。

出雲大社は、古くから朝廷や武家からの崇敬を受け、多くの人々から信仰を集めてきました。特に、旧暦10月(現在の11月頃)には、全国の神々が出雲に集まるとされる「神在月(かみありづき)」の神事が行われ、多くの参拝客で賑わいます。

ご利益(縁結び・厄除け・福徳)

出雲大社のご利益は、縁結びが最も有名ですが、その他にも様々なご利益があるとされています。

出雲大社は、これらのご利益を求めて、年間を通して多くの参拝客が訪れます。神聖な雰囲気の中で参拝することで、心身ともに清められ、新たな力を得られることでしょう。

縁結び
男女の縁だけでなく、仕事や友人、家族など、あらゆる良縁を結ぶご利益があるとされています。特に、困難を乗り越えて縁を結ぶ力があるとされ、復縁を願う人々も多く訪れます。
厄除け
大国主大神は、多くの試練を乗り越えてきた神様であることから、厄除けのご利益があるとされています。人生の節目や厄年に参拝する人々も多くいます。
福徳
大国主大神は、国づくりの神として、人々に様々な知識や技術を授けたことから、福徳のご利益があるとされています。商売繁盛や五穀豊穣などを願う人々も多く訪れます。

出雲大社の参拝方法

出雲大社は、独特の参拝方法を持つことで知られています。正しい参拝の手順、本殿と拝殿の違い、摂社・末社の巡り方、参拝時間と服装、そして出雲大社で最も重要な神事の一つである神在月について詳しく解説します。心を込めて参拝し、ご利益を授かりましょう。

参拝の手順

出雲大社では、一般的な神社とは異なる作法で参拝します。以下、参拝の手順を詳しく説明します。

二拝四拍手一拝

出雲大社の正式な参拝作法は「二拝四拍手一拝(にはいしはくしゅいちれい)」です。これは、二回お辞儀をし、四回拍手(かしわで)を打ち、最後にもう一度お辞儀をするという作法です。一般的な神社では二拝二拍手一拝が広く知られていますが、出雲大社では四拍手で行うのが特徴です。

四拍手をする理由には諸説ありますが、出雲大社で最も重要な祭典である例祭(勅祭)で八拍手を行うことに由来するとも言われています。八は古くから無限の数を意味し、神様に対し限りない拍手をもって讃える作法とされています。普段の参拝ではその半分の四拍手で神様を讃えます。

境内のすべての社でこの作法で参拝しましょう。

本殿と拝殿

出雲大社の境内には、本殿と拝殿があります。それぞれの役割と参拝方法について解説します。本殿と拝殿の両方で参拝することで、より深く神様と繋がり、ご利益をいただけるとされています

本殿
大国主大神が祀られている最も重要な建物です。大社造と呼ばれる独特の建築様式で建てられており、国宝に指定されています。普段は中に入ることはできませんが、八足門(やつあしもん)の前から参拝します。本殿に向かって二拝四拍手一拝を行い、日頃の感謝や願い事を伝えましょう。
拝殿
本殿の前にある建物で、参拝者がお参りをする場所です。こちらでも二拝四拍手一拝を行います。拝殿は、神楽殿(かぐらでん)と並んで、出雲大社の象徴的な建物の一つです。

摂社・末社巡り

出雲大社の境内には、本殿以外にも多くの摂社(せっしゃ)や末社(まっしゃ)があります。摂社は、本社に縁の深い神様を祀る社のことで、末社は、それ以外の小規模な社のことです。これらの社を巡ることで、様々なご利益をいただけるとされています。

特に、本殿の裏手にある素鵞社(そがのやしろ)は、大国主大神の親神である素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀っており、強力なパワースポットとして知られています。また、境内を左回り(時計と反対回り)に進みながら各社を参拝するのが良いとされています。

時間に余裕があれば、境内の各社を巡り、それぞれの神様にご挨拶することで、より充実した参拝となるでしょう。

参拝時間と服装

出雲大社の参拝時間は、季節によって異なります。事前に公式ウェブサイトなどで確認することをおすすめします。一般的には、日の出から日没まで参拝可能ですが、時間帯によっては閉まっている場所もあります。

服装は、特に決まりはありませんが、神聖な場所であることを意識し、清潔感のある服装を心がけましょう。境内は広く、石畳の道や階段なども多いため、歩きやすい靴を選ぶことが重要です。また、天候に合わせて適切な服装を選びましょう。特に冬場は防寒対策をしっかりと行いましょう。

神在月について

出雲大社で最も重要な神事の一つが、旧暦10月(現在の11月頃)に行われる神在月(かみありづき)の神事です。全国の神々が出雲に集まり、縁結びなどの会議を行うとされています。そのため、旧暦10月は出雲地方では「神在月」、他の地域では「神無月(かんなづき)」と呼ばれます。

神在月の期間中は、様々な神事が執り行われ、多くの参拝客で賑わいます。特に、稲佐の浜で行われる神迎神事(かみむかえしんじ)は、神々を迎える重要な儀式で、多くの人々が見物に訪れます。この時期に参拝することで、より特別なご利益をいただけるとされています。

出雲大社東京分祠

出雲大社 東京分祠(イヅモオオヤシロトウキョウブンシ)

遠くてなかなか出雲大社まで行けない…という方も、東京で出雲大社の御神徳に触れることができる場所があります。

東京にいながら出雲大社のパワーを感じられる場所、それが出雲大社東京分祠(イヅモオオヤシロトウキョウブンシ)です。 東京分祠の場所とアクセス方法、そして東京で出雲大社のパワーを感じられる理由についてご案内します。

東京分祠の場所とアクセス

出雲大社東京分祠は、東京都港区六本木に位置しています。都会の喧騒の中にありながら、一歩足を踏み入れると静かで落ち着いた空間が広がっています。

住所 〒106-0032 東京都港区六本木7-18-5
電話番号 03-3401-9301
参拝時間 9:00~17:00
定休日 無休

電車
東京メトロ日比谷線「六本木駅」2番出口より徒歩すぐ(明治屋の前を通り、ファミリーマートの角を右折)
都営大江戸線「六本木駅」7番出口より徒歩約3分(西公園の前を通り、突き当たりを右折)
東京メトロ千代田線「乃木坂駅」より徒歩約12分
都営大江戸線「麻布十番駅」より徒歩約15分
首都高速飯倉出入口から約5分
駐車場は2台分のみのため、満車の場合は近隣の有料駐車場をご利用ください。

六本木駅から非常に近く、アクセスしやすい立地です。電車でのアクセスが便利ですが、車で訪れる場合は駐車場の状況を確認してから向かうことをお勧めします。

東京で感じる出雲大社のパワー

東京分祠は、単なる出張所ではありません。出雲大社から御霊分けされた神様が祀られており、出雲大社と同じ御神徳を授かることができるとされています。東京分祠で感じられる出雲大社のパワーは、以下のような点に表れています。

縁結びのご利益
出雲大社のご祭神である大国主大神は縁結びの神様として有名ですが、東京分祠でも同様のご利益を授かることができます。恋愛成就はもちろん、仕事や友人など、あらゆる良縁を結ぶご利益があるとされています。
神聖な空間
都会の喧騒の中にありながら、境内は静かで落ち着いた空気に包まれています。木々の緑や清らかな空気を感じながら、心を落ち着けて参拝することができます。
出雲大社との繋がり
東京分祠は、出雲大社と深く繋がっています。毎年、出雲大社から神職が派遣され、祭事が行われています。そのため、東京にいながらも、出雲大社と変わらない神聖な雰囲気を感じることができるのです。

東京近郊にお住まいの方や、出張などで東京を訪れる際は、ぜひ出雲大社東京分祠に足を運んでみてください。都会の中心で、出雲大社のパワーを感じ、良縁を祈願してみてはいかがでしょうか。

境内の見どころ

出雲大社の境内には、本殿以外にも見どころがたくさんあります。特に訪れたい3つのスポット、「神楽殿の大しめ縄」「素鵞社」「ムスビの御神像」について解説します。

出雲大社の境内は広く、歴史と神話に彩られた見どころが点在しています。参拝の際には、本殿だけでなく、これらのスポットにも足を運んで、出雲大社の魅力を余すところなく堪能しましょう。

神楽殿の大しめ縄

出雲大社 神楽殿の大しめ縄

神楽殿(かぐらでん)は、出雲大社の象徴的な建物の一つで、結婚式や祭典などが行われる場所です。特に有名なのは、正面に掲げられた巨大なしめ縄です。長さ約13メートル、重さ約4.5トンにも及ぶこのしめ縄は、日本最大級と言われています。その迫力は圧巻で、訪れる人々を驚かせます。

しめ縄は、神域と現世を隔てる結界のような役割を持つとされ、不浄なものが入らないようにする意味があります。神楽殿のしめ縄は、その巨大さから、特に強力な力を持つと信じられています。多くの参拝客が、このしめ縄の前で写真を撮ったり、手を合わせたりしています。

以前のしめ縄は、島根県飯南町(いいなんちょう)の地域住民によって奉納されていましたが、2017年からは、地元出雲市の氏子によって奉納されるようになりました。新しいしめ縄は、以前のものよりも若干細くなりましたが、その迫力は健在です。神楽殿を訪れた際には、ぜひこの巨大なしめ縄を見上げて、その力強さを感じてみてください。

素鵞社

出雲大社 素鵞社

素鵞社(そがのやしろ)は、本殿の裏手にある摂社で、大国主大神の親神である素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀っています。素戔嗚尊は、ヤマタノオロチを退治した神話で知られる、力強い神様です。そのため、素鵞社は、強力なパワースポットとして知られています。

素鵞社の前には、八雲山(やくもやま)から運ばれたとされる砂が敷き詰められた場所があります。この砂は、持ち帰って家の周りに撒くと、厄除けになると言われています。また、素鵞社の裏手には、岩が積み重なった場所があり、そこからも強いパワーを感じられると言われています。

素鵞社は、本殿の裏という少し分かりにくい場所にありますが、ぜひ足を運んでみてください。静かで神聖な空気の中で、心身ともに清められることでしょう。

ムスビの御神像

出雲大社 ムスビの御神像

ムスビの御神像(むすびのごしんぞう)は、境内の中央付近にある神像です。大国主大神が、様々な神様との縁を結び、国づくりを進めた様子を表しています。この御神像は、縁結びのご利益を象徴するもので、多くの参拝客が訪れます。

御神像の前には、願い事を書いた紙を結び付ける場所があります。良縁を願う人々が、それぞれの願いを込めて紙を結び付けています。また、御神像の周りには、ハート型の絵馬がたくさん奉納されており、恋愛成就を願う人々の熱い思いが伝わってきます。

ムスビの御神像は、出雲大社を訪れた際には必ず立ち寄りたいスポットの一つです。良縁を願う方は、ぜひここで心を込めてお祈りしてみてください。

境内には他にも多くの摂社・末社や、歴史的な建造物などが点在しています。時間に余裕があれば、ゆっくりと境内を散策し、出雲大社の神聖な空気を存分に感じてみてください。

まとめ

このページでは、大国主大神と縁結びの神話から、二拝四拍手一拝の作法、境内の見どころまで、出雲大社の歴史、ご利益、そして参拝方法について解説しました。

出雲大社は、縁結びだけでなく、厄除けや福徳のご利益もある神聖な場所です。出雲大社を訪れ、神聖な空気を感じながら、心からの祈りを捧げ、素晴らしいご縁を結んでください。

この情報が、あなたの出雲大社参拝の一助となれば幸いです。

2024.12.19 13:44
2024.12.31 12:10
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